Being Log

「ああなりたい!」を応援するメディア

【1stアルバム THE BULE HEARTS編】心が奮い立つブルーハーツの名歌詞に想う

日本最高のロックンロールバンドであるTHE BLUE HEARTS。

彼らの魅力は数多くあるが、その中でもファンの心を掴んで離さないのは、彼らの曲の言葉の力強さである。

私もブルーハーツの歌詞の優しさ、力強さに心を鷲掴みにされている。

そのため、再度ブルーハーツの曲たちと向き合うための時間をとる意味も込めて、ブルーハーツの全曲の感想や解説を書いていきたいと思う。

まず、今回は彼らの1stアルバムである「THE BLUE HEARS」から12曲の紹介だ。

 

 

f:id:adhd-tama:20180802094742j:plain

 

未来は僕らの手の中

生きてることが大好きで

意味もなくコーフンしてる

一度に全てをのぞんで

マッハ50で駆け抜ける

これほどまでに「生きること」に前のめりで肯定的な姿勢があるだろうか。

人生はいつか必ず終わってしまう。

そのことを誰よりも意識しているからこそ、たった一度の人生を決して無駄にしてはいけない。

この「未来は僕らの手の中」のみならず、真島昌利(以下マーシー)と甲本ヒロト(以下ヒロト)は一貫して人生に対してこのような態度で臨み続けている。

他人の人生ではなく、自分の人生に向き合い大切にしよう。

知識や疑似体験ではなく、泥臭くてもリアルな経験を積み重ねていこう。

自分のやりたいこと、好きなこと、信じることに、なるだけの時間と労力とお金を捧げよう。

ブルーハーツの魅力とは徹底したリアル主義であり、この考え方こそがファンを惹きつけているのだろう。

「未来は僕らの手の中」はそんなブルーハーツの生き様を凝縮した一曲である。

 

終わらない歌

大衆の一般化された考え方や風潮、年相応の立ち振る舞い。

これらは常識的な社会人にとって必ず身に付けてなければならないものであり、社会で上手くやっていくために守らなければならない不文律のようなものでもある。

しかし、マーシーにはそのような考えは一切なかった。それもそのはずだ。

誰の意見にも影響されない本当の自分を追求すると、世の中のほとんどとは相容れない。

すると、世の中からは否定され、ひとりで闘う日々が続く。

いつの時代も真の挑戦者の姿とはこのようなものなのだ。

終わらない歌を歌おう クソッタレの世界のため
終わらない歌を歌おう 全てのクズ共のために
終わらない歌を歌おう 一人ボッチで泣いた夜
終わらない歌を歌おう ・・・・あつかいされた日々

力強く、繰り返し、私たちを邪魔するものを跳ね除け、希望の道を敷いてくれている。

この「終わらない歌」はこのように、挑戦者の勇気と覚悟に対して賞賛と敬意を表する歌である。

 

 

NO NO NO

「俺はその意見には乗らないよ。」

「俺はその考えに票は入れないよ。」

「俺はその行進には参加しないよ。」

正しくない。楽しくない。優しくない。

それじゃあダメだと思うことには声に出して「NO」という意思を示さなければならない。

見て見ぬフリは消極的な賛同であり、それが蓄積すると自分の意見が少しずつ殺されていく。反骨心が消えてゆく。

どこかの爆弾より
目の前のあなたの方が
ふるえる程 大事件さ
僕にとっては

時には常識外れで、自分勝手なこともあるだろう。それでも批判を覚悟で声にする。

空気が読めない?無謀すぎる?無知すぎる?そんなことは関係ないと言わんばかりに堂々と「NO NO NO」と世の中に発する。そんな歌だ。

 

パンク・ロック

今までの好き嫌いの基準が全て吹き飛ぶような瞬間が誰の人生にも一度はあるだろう。

友達ができた 話し合えるやつ
何から話そう 僕のすきなもの
僕 パンク・ロックが好きだ
中途ハンパな気持ちじゃなくて
ああ やさしいから好きなんだ
僕 パンク・ロックが好きだ

出会った全ての人に思わず話してしまうようような、自分の生き様を象徴するような。とにかく好きで好きでたまらないものがあるだろう。

甲本ヒロトはそれがパンクロックだったのだ。

その愛を一曲歌にして、ただパンクロックへの想いを表現したい。

それ以上でも、それ以下でもないシンプルな愛の歌と言えるだろう。

 

世の中の揃った行進の列から外れた者にしか分からない孤独感や無力感がある。

街にはアスファルトやコンクリートのように冷たくて、毒ガスのように無責任で攻撃的な奴らばかりだからだ。

それでも、そんなあなたと同じ境遇の中、自分の歩幅とリズムで行進をしているヤツもいる。

耳を澄ませばそんな足音が聞こえてくるだろう。

命のあるかぎり 忘れてはいけない
今しかぼくにしか できないことがある

「決して孤独じゃない。」

「決して間違っちゃいない。」

そんな言葉を力強く語りかけてくる歌。

 

 

少年の詩

「こんなイタズラをしたら大人達はどんな顔をするだろう。」子供のころ誰もが頭によぎったことがあるだろう。

世界中をアッと驚かせるようなアイデアも、少年の無力さと不器用さでは無に帰してしまう。

そんな悔しい思いを誰もがしてきたのではないだろうか。

誰もが持つ「反骨心」を青春時代の 不器用さと青臭さを象徴にして歌い上げたこの歌は、聴いた人に青春時代のエネルギーを与えてくれる。

心にナイフを持って、とにかく現実に抗っていた日々を、

「少年の声は間違っちゃいない」と優しく肯定してくれる。そんな一曲だ。

僕やっぱりゆうきが足りない「I LOVE YOU」が言えない
言葉はいつでもクソッタレだけど 僕だってちゃんと考えてるんだ
どうにもならないことなんて どうにでもなっていい事
先生たちは僕を 不安にするけど
それほど大切な言葉はなかった

誰の事も恨んじゃいないよ ただ大人たちにほめられるような
バカにはなりたくない
そしてナイフを持って立ってた

少年の声は風に消されても ラララ………
間違ちゃいない

 

爆弾が落っこちる時

初期衝動。

好きだという想い。

単純な好奇心。

行動基準は至極シンプルなものでいい。他人に話せば笑い飛ばされるくらい子供染みたものでいい。

その方が爆発力があり、長続きもするパワーを秘めている。

それなのに、大人になるにつれ行動するために余計なものが付いて回る。

いらないものが多すぎる

慣習、人間関係、見栄、建前、お金。

人の行動を抑制する脅威的な爆弾だ。

そんな爆弾が落っこちる時、私たちは何が出来るだろう。声を上げることが出来るだろうか。

 

 

世界のまん中

世界のまん中で生きていくのは、非常にリスキーで覚悟のいる生き方である。

誰の人生でもなく、自分が主演の人生。

痛みも、悲しみも、苦難も、すべて真正面からぶつかっていかなければならない。

だからこそ、その先に待っている夢や希望、幸せを頭のてっぺんからつま先まで全身で感じることが出来る。

自分の欲に素直に生きるのは勇気がいる。失敗=自分の存在意義の否定、に繋がってしまうためだ。

生きるという事に 命をかけてみたい
歴史が始まる前
人はケダモノだった

人間が現代みたいに賢くなる前、私たちはもっと自分の生活に命懸けだった。

もっと前のめりで、もっとアクティブで、もっと本能的で。

世界のまん中で生きていく恐怖は皆が感じるもの。

何かに心が動かされ、立ち向う時、この曲は、その恐怖を乗り越える勇気と自信を与えてくれるだろう。

 

裸の王様

学歴や経歴、過去の実績や名刺の肩書き。

私たちは人の持つステータスによって人をインスタントに評価してしまう。

人の印象は出会った始めの数秒で出来上がってしまうが、人の本当の姿は見た目やステータスからは想像出来ないくらい奥が深いものである。

長い時間を共有して、腹を割って話して、感情を剥き出しにして、そうしてようやく少しだけ理解出来るのが他人というものだ。

今夜 僕は叫んでやる 王様は裸じゃないか

まず、勇気を出して「お前は裸の王様なんじゃないのか?」と叫ぶ。

そうすることで、少しでも世の中の本質に近づくことが出来るのではないか。

 

ダンス・ナンバー

ダンス・ナンバーで 踊り続けよう
くだらない事は たくさんあるけど
誰かが決めた ステップなんて
関係ないんだ デタラメでいいよ

カッコ悪くたっていいよ
そんな事問題じゃない
君の事笑う奴は
トーフにぶつかって 死んじまえ

このアルバムでは唯一の他者へ向けた応援ソングとなっている。

しかし、視点は変わってもマーシーのメッセージは一貫して変わらない。

「自分のやりたいことをやれ。」

ということだ。

そして、言葉の節々からマーシーの他者への優しさや思いやりが感じられる。

自分のことを歌う時以上に、

「やりたいことをやれ。」

「周りのことは気にしなくていい。」

「下手くそでも、ダサくても俺は肯定するぜ。」

というような、人と違うことを肯定的に積極的に捉える言葉を多く使用している。

さらに終いには「死んじまえ」という少し攻撃的な表現。

自分の大切な人の生き方を、否定する奴は自分のことを否定する奴以上に許せないというマーシーの気持ちが見え隠れする表現だ。

 

 

君のため

この曲は若く青い恋愛を、無駄なレトリックやカッコつけた言葉を使わずに、これでもかというくらいにド直球に表現している。

それゆえ、曲全体を通してぎこちなくて、どこか稚拙な表現が目立つ面もある。

しかし、それがブルーハーツなりの恋愛ソングであり、繊細な表現で綴った愛の言葉よりも味わいがあるのだ。

「好きです 誰よりも 何よりも
 大好きです ごめんなさい
 神様よりも 好きです」

曲中で使用される「ごめんなさい。」という言葉は、この歌を特徴づける表現と言っても過言ではないだろう。

若く、無力で、自分勝手で、儚い恋かもしれない。そんなことは分かっているけど、ただこの瞬間はあなたのことが好きなんだ。

そんな気持ちがこの「ごめんなさい。」という一言に凝縮されている。

 

リンダ リンダ

今までとは違う。

今までには全く抱いたことのない感情を誰かに抱いたら、私たちはどのような表現をするだろう。

愛という表現は使いたくない。恋という表現も当てはめられない。今までと同じにしたくないから。

愛じゃなくても恋じゃなくても君を離しはしない
決して負けない強い力を僕は一つだけ持つ

うまく言葉に出来なくても、たった1つ確信していることがある。

それは「あなたとずっと一緒にいたい。」という気持ちだ。

ドブネズミの美しさを知ってしまった時、人は「リンダリンダ」で綴られているような気付きを得るのだろう。

 

おわりに

このアルバムは1stアルバムのためか、全体を通して、勢いがあり前向きでストレートな曲が多い。

それゆえ、聴いた途端に若い気分へと戻れるアルバムとなっている。

ブルーハーツの歌詞に勇気付けられた、10代。そんな気持ちにいつでも戻れるのだ。

 

オススメ記事↓ 

www.being-log.com

 

www.being-log.com