絶対外せない70年代パンクロックおすすめ名盤Best5
新たにパンクロックの扉を叩いたキッズ向けに、今後パンクロックを語る上で、外してはいけないアルバムを5つ紹介する。
「世の中にこうでないといけないなんてものは1つもない。」とピストルズのジョン・ライドンは言っていたが、今から紹介するのは絶対に聴かないといけないるアルバムだ。
第5位
London Calling / The Clash
ロンドン・コーリング/ ザ・クラッシュ
このアルバムは、イギリスのパンクバンド The Clash の3rdアルバムである。
アメリカの由緒ある音楽雑誌であるローリング・ストーン誌によって、1980年代最高のアルバムに選出され、音楽史上においても重要な立ち位置を誇る作品だ。
そこまで偉大なアルバムなのになぜ第5位なのかって?
聴いてみれば分かると思うが、このLondon Callingは70年代に発表された他のパンクロックとは異なった音楽性を放っているためだ。
激しく、情緒的でシンプルな音楽性は鳴りを潜め、スカやレゲエ、R&B、ジャズなど、多様なジャンルの要素を取り入れた音楽的に洗礼されたアルバムである。
そのため、スリーコードの典型的なパンクロックを期待してロンドン・コーリングを聴くと肩透かしを喰らってしまうかもしれない。
ただし、それまでのクラッシュが貫いてきた政治的メッセージの歌詞は色褪せることなく健在である。
攻撃的なサウンドではなくても、パンクロックの精神が宿ることを証明したこのアルバムは、まさに「Punk is an attitude, not a style(パンクは様式ではなく、姿勢である)」を体現している。
CDを買って部屋に飾るパンクスも大勢いるほど、クールなジャケットにも注目だ。
第4位
Damned Damned Damned/The Damned
地獄に堕ちた野郎ども/ザ・ダムド
1970年代の3大ロンドンパンクの中でもピストルズ、クラッシュに比べるとやや影を潜めているダムド。
しかし、実はこの「地獄に堕ちた野郎ども」はロンドンパンク史上で1番歴史があるアルバムである。
メンバーのデイヴ・ヴァニアンらが、当時の音楽シーンに飽き飽きしており、「世の中に気にいる音楽がないなら、自分たちで作っちゃおうぜ。」となんともパンクロックらしい理由で作られたアルバムだ。
他のパンクロックバンドとは異なり、政治的なメッセージは少なく、シンプルな構成ながらも作り込まれたサウンドが特徴である。
1曲目の「ニート・ニート・ニート」から疾走感全開で、アドレナリンが出ること間違いなしだ。
第3位
The Clash/The Clash
白い暴動/ザ・クラッシュ
第3位でまたまたクラッシュのアルバムの登場だ。
「白い暴動」は1stアルバムらしい粗削りでストレートなパンクサウンドが特徴的である。
このアルバムの発表でクラッシュはロンドンの代表的なパンクバンドとしての名声を確立した。
そして、この頃からどことなくレゲエやロックンロールの影響も受けた曲の構成となっており、クラッシュがその後幅広い音楽性を取り入れて成功した片鱗を見せている。
どの曲もオススメではあるが、「White Riot」「London's Burning」「Career Opportunities」はザ・パンクロックなクラッシュの代表曲なので是非聴いてほしい。
パンクロック聴き始めのキッズは、「ロンドン・コーリング」より、こちらの「白い暴動」の方が肌に合うだろう。
第2位
Never Mind the Bollocks, Here's the Sex Pistols/Sex Pistols
勝手にしやがれ!!/セックス・ピストルズ
言わずと知れたパンクバンド、セックス・ピストルズの最初で最後のオリジナルアルバムである。
サウンドの攻撃性、メッセージの破壊力は共に全てのパンクロックが束になっても敵わないほど圧倒的だ。
このアルバムこそが1977年のロンドンでパンクロック旋風を巻き起こした、まさにロンドンパンクの金字塔なのだ。
セックス・ピストルズは最初のアルバム「勝手にしやがれ!!」をリリースした数ヶ月後に解散し、ロックの歴史に残る伝説のバンドとなった。
「Holidays in the Sun」「God Save the Queen」「Anarchy in the U.K.」など全ての曲で表現されている情緒的な歌詞やジョニー・ロットンの金切り声の挑発的な歌い方は、当時のロンドンの若者の怒りの象徴とも言えるだろう。
第1位
Ramones/Ramones
ラモーンズの激情/ラモーンズ
第1位はランキングのなかでは、唯一ロンドンパンクではないラモーンズのアルバムがランクイン。
このラモーンズがニューアークでパンクというジャンルの礎を築いたことにより、その後のロンドンでのムーブメントが起こった。
そのため、パンク史上の始まりとも言えるバンドなのだ。
そして、このラモーンズの1stアルバム「ラモーンズの激情」にはパンクロックの基礎が詰まっている。
ほぼ全ての曲がスリーコードを掻き鳴らすだけという、とにかくシンプルな構成のため、昨日ギターを買ったばかりというキッズも今日にでも弾けてしまう。
また、疾走感のある曲が多いのも特徴で、アルバム全体で14曲収録されているにも関わらず、29分ですべて聴き終えてしまえるほどだ。
また、ラモーンズはパンクロックではあるが、音楽のモチベーションがロンドンパンクのような反社会、反体制ではない。
そのため、攻撃的な歌詞は少なく、メロディーもキャッチーであるため、ロンドンパンクとは一線を画しているパンクとも言えるだろう。
まとめ
以上、パンクを語る上で絶対に外せない70年代のオールドパンクを代表するアルバムだ。
パンクらしく初期衝動が詰まった1stアルバムに名作が多いのが目立つ。
なにかのきっかけでパンクに興味を持ったあなたは、是非今回紹介したアルバムを聴いてパンクロックにのめり込んでいってほしい。必ず将来の財産になるはずだ。