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名古屋駅周辺のキャッチ事情について赤裸々に語る

夜の繁華街を歩いていると、必ずといっていいほど飲食店のキャッチに声をかけられる。

特に名古屋駅周辺には、色の付いたジャンパーを着た客引きが蔓延っている。

あのジャンパーの色の違いは何なのか?

給与形態はどうなっているのか?

ぼったくり店などと提携はしているのか?

など、謎が多い彼らである。

私はその謎を解明するするべく、名古屋駅周辺の客引きに取材を申し込み調査した。

 

 

キャッチを始めたきっかけは 

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私「こんばんは、今日はよろしくお願いします。」

キ「お願いします。」

私「早速本題ですが、キャッチを始めようと思ったきっかけはなんですか?」

キ「大学の友達から誘われたのがきっかけです。」

私「大学生が多いんですか?」

キ「そうですね。大学生、特にうちはM大学の人が多いです。求人広告とかは出してないので、キャッチをやるなら人づてで紹介してもらうしかないですね。」

私「どうやって誘われたんですか?」

キ「とにかく稼げるよ!って。(笑) あとは、シフトが自由で、見た目とかも自由で良いよって。」

 

どのような給与形態なのか

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私「なるほど。シンプルですね。そんなに稼げるものなのですか?」

キ「僕は週3,4回の出勤ですが、月20万くらい稼いでます。すごい人は35万くらい稼いでますよ。」

私「そんなに稼げるんですか。すごいですね。」

キ「歩合制なので、やればやるほど稼げます。前はもっと稼げたみたいですけどね。今はキャッチが増えすぎて、お客さんの奪い合いです。」

私「そうなんですね。1日に何人くらい客引き出来るものなんですか?」

キ「だいたい50人から60人くらいです。1人引く毎に、250円貰えるんです。リーダークラスになると300円貰えるらしいですけどね。会社には500円入ってるみたいです。まあ、2000円以上のお会計だった場合だけですけどね。」

私「となると、時給換算で2500円以上ですか。それは割りがいい仕事ですね。」

キ「ええ、そうですね。ただ、そんなに甘い仕事ではないですよ。稼ごうと思ったら、断られてもアタックし続ける強靭なメンタルが必要ですし、考え続けなければなりません。」

私「そう簡単に稼げる仕事という訳ではないということですね。」

キ「そうですね。僕は運良くキャッチに向いていたみたいで、普通にバイトするより稼げています。ただ、感覚値ですが、約70%以上が1ヶ月以内に辞めていると思います。」

 

キャッチが向いている人とは

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私「厳しい世界なんですね。キャッチに向いている人はどんな人だと思いますか。」

キ「んー。難しい質問ですね。僕の印象だと、負けず嫌いで、鈍感で、考えられる人だと思います。当てはまらない人はキャッチに向いてないですね。」

私「なるほど、誰でも簡単に稼げるという訳ではないんですね。」

キャッチ「もちろんです。客引きというと誰でも出来て、下に見られやすい仕事ですが、風当たりも強いですし、なかなか奥の深い仕事ですよ。」

 

ぼったくりはないの? 

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私「たしかに風当たりの強さはありそうですね。私も、色付きのジャンパー=無視という関係式が出来てしまっています。」

キ「キャッチ=ぼったくり。というイメージが原因かもしれませんね。2018年現在、私の活動範囲である名駅3丁目や4丁目にはぼったくり店に案内するキャッチはいません。」

私「たしかに、私もたまにキャッチを利用しますが、ぼったくりにあったことはありませんね。」

キ「うちの社長がキャッチのインフラ化を目指しているので、ぼったくり店に案内したり、無理矢理に逆引きすることで、儲けを出そうとすることはしていないようです。」

 

どうしてもイメージが悪いキャッチ 

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私「なるほど、キャッチのインフラ化と言うと?」

キ「キャッチがいないと経営が成り立たないような街づくりを目指しているんです。」

私「ほお。」

キ「結局、今も有名店以外は、ホットペッパーぐるなび、私たちキャッチからの集客に頼っている状態なんです。」

私「そうなんですか。現場でやってて強く感じますか。」

キ「平日なんかは、物凄く感じます。笑 

私たちキャッチがいなければ、絶対お客さんが入らないような店もチラホラあります。」

私「そんなに人気がない店に案内することに罪悪感はありませんか。」

キ「まったく無いですね。お客さんが来ないと言っても、決してボッタクリだからだとか、料理が美味しくないからと言う訳ではないんです。単純に知名度がなかったり、駅から遠いからとか、お店としてポテンシャルはあるのに人気がない店もに案内する方がやり甲斐を感じます。」

 

やりがいは人と店の出会い

私「そこまでキャッチという仕事に対して、真剣に考えている人がいるんですね。」

キ「1年以上キャッチの仕事をしている人はそうだと思います。金が稼げるというだけでは、なかなか続けるのは難しいですよ。長く続けるためには人のためになるという気持ちがないと無理だと思います。」

私「以外でした。笑」

キ「はじめはお金が稼げるというモチベーションでやっていましたが、いまではお店の人やお客さんが喜ぶ顔を見るのがやり甲斐です。」

私「私も営業を長くやっているので分かります。」

キ「私が介在していなければ、出会うことのなかったお客さんとお店とが出会って、両者に幸せがもたらされることがやり甲斐ですね。」

 

 

ジャンパーの色の違いとは

私「少しぶっ込んだ質問をしていいですか。」

キ「ええ、なんでしょう」

私「客引きの人たちのジャンパーの色は何ですか。」

キ「結構ぶっ込みますね。笑 私たち赤色はグルメガイドと呼ばれていて、愛知県で初めて色付きジャンパーで客引きを始めた会社です。」

私「ほお、なるほど。」

キ「僕らの代表のO氏が九州のキャッチのやり方を参考に名古屋に取り入れたそうです。普通のキャッチより公式感があるので、お客さんからの信頼が得やすいのが色付きジャンパーのキャッチのメリットですね。」

私「名駅だけでも、赤、緑、オレンジの3種類がありますが、あの色な違いはなんですか?」

キ「単純に会社の違いです。赤色の会社が名古屋で初めて、色付きジャンパーで客引きを始めた会社です。」

私「というと?」

キ「緑色は赤色の会社フランチャイズで、友好関係にあります。オレンジ色のキャッチは名古屋で有名なデザイナーズ居酒屋を経営している会社が運営しています。」

私「オススメの色のキャッチ会社はありますか?」

キ「特にないです。どのキャッチ会社でもやる気のない奴8割やる気に満ち溢れている奴2割って感じです。どこのキャッチ会社も名古屋ではボッタクリ店もありませんし、単純に相性で決めればいいと思います。」

私「たまに、ジャンパーを着ていないキャッチがありますが、あの人たちはどのようなキャッチですか?」

キ「2種類あります。お店に直接雇われていて、時給で働いているキャッチか、県外出身のキャッチですね。」

私「なるほど。なにか気をつけることはありますか?。」

キ「特にないですね。どちらのキャッチも名古屋駅周辺であればぼったくりはないです。」

 

キャッチの存在意義とは

私「やたらと嫌われがちな居酒屋のキャッチですが、そのことについてはどの様にお考えですか。」

キ「はい、確かに嫌われていることは重々承知です。ただ、まだまだ介在価値はあると思っています。金曜日の夜にお店を予約し忘れた人たちや、二次会の店がなかなか決まらない人、初めて名古屋駅周辺で飲む人たちなんかは、僕たちキャッチを使って喜んでくれる方が多い気がします。」

私「なるほど、嫌われがちなキャッチの方たちですが、まだまだ介在価値はあるんですね。本日はありがとうございました。」

キ「ありがとうございます!」

 

2018年10月から名古屋市名駅、金山、栄での客引き行為が禁止に

そんな居酒屋のキャッチ行為だが、2018年の4月から施行された「名古屋市客引き行為等の禁止等に関する条例」により、厳罰化が予想されている。

そして、10月1日からは名古屋市の一部の地域での客引き行為が全面禁止となり、違反者には指導、勧告、命令の後、氏名などの公表や五万円の過料が科されることがあるという。今後、名古屋の客引き達はどのようになっていくのだろうか。