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みんなロックで大人になった。

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私も20代後半、いよいよカートコバーンやジミヘンがこの世を去った歳となる。

私が初めてロックというやつに出会ってから、10年近く経つが、今でも割に合わない反骨心と身の丈に合わない夢を抱いて生きている。

10代中頃、無知と全能感の真っ盛りの頃に比べるといささか現実的な話を多くするようになったが、まだまだ衰えてはいない。

 

やはり、その秘訣はロックを聴くことだ。

私はロックで大人になった。大切なことは全てロックに書いてある。

私が初めてロックに出会ったのは17歳の頃、NHKの歌番組でGreenDayの「Know Your Enemy」聴いた時だった。

曲を聴いた直後にCDを買いに行くほど、当時の私にとって衝撃的な出会いだった。

それからは一気にパンクロックに傾倒し、Sex Pistols、Ramones、The Clash、The Damned、The Jamなどとにかく聴き漁った。

クラッシュには特に熱をあげ、CDを買い揃えるのは勿論のこと、伝記を読んでジョーストラマーの生き様に思いを馳せた。

 

「パンクは音楽のスタイルではなく、アチチュード(態度)である。」

 

この言葉は、パンクロックをただのムーブメントではなく文化へと昇華させ、今でも多くのミュージシャンに受け継がれている。

 

「古くを壊して、新しくを創る」

 

クラッシュをはじめ、パンクロックのミュージシャンはいつもそんな態度で世の中に一石を投じていた。

パンクロックを聴くと、まるで自分が1977年のロンドンにいるような気分になり、立ち上がって拳を振り上げることが出来る。

 

それは、今でも変わらない。後先考えずに、初期衝動だけで行動して、それが案外上手くいったりする。

初めてギターを買った時もそうだった。親に内緒でアルバイトで稼いだお金をフェンダーUSAに注ぎ込んだ。

大目玉だったが、そんなことは気にしない。とにかく、大音量でコードを掻き鳴らすのが気持ち良かったのだ。

 

曲を覚えたら、友人の家に向かい、雑音だらけのコードと不安定なエイトビート、粒の揃っていないベース音に乗せてデタラメな英語で熱唱。最高の時間だった。

何にでもなれる気がして、何でも出来る気分だった。クラッシュを超えるミュージシャンになるという夢もちっぽけに思えてしまうほどだ。

ますます、ロックに夢中になった。ギターを手に入れてからは、パンクロックだけでなく、The Beatlesや The Whoなどのオールドロック、エルヴィス・プレスリー、リトルリチャードなどのロックンロール。ロックであれば何でも聴いた。

 

10代の無力な自分に襲いかかる、先の見えない現実。何がしたいのかも、何が出来るかも分からず、正体不明の苛立ちと焦りにいつも悩まされていた。

 

ロックは全部解決してくれた。

 

焦り、苛立ち、悩みの全てを抱えたまま突き進むことを教えてくれた。

大人になった今、私はカートコバーンにもジミヘンにもなれなかった。

 

しかし、それで良い。

 

私は今、自分が自分であることに誇りを持って生きている。

ロックと共に大人になり、作り上げられた価値観、経験、すべてが私の宝物なのだ。