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映画「ブルーハーツが聴こえる」なぜブルーハーツはこれほどまでに魅力的なのか。

THE BLUE HEARTSというバンドをご存知だろうか?
私の人生を変えたと言っても過言ではないほど、愛して止まないロックンロールバンドである。
そんなTHE BLUE HEARTS(以下ブルーハーツ)の曲をテーマにしたオムニバス形式の映画「ブルーハーツが聴こえる」を先日鑑賞した。

 

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この記事を読んでいる方の中には、私と同じように、
「僕、私の人生を変えたよ」
という方が、少なからずおられるのではないではないか。
そんな方はこの記事を読んで、一緒にブルーハーツの魅力に浸ったり、青春時代に戻っていただければと思う。
そして、「ブルーハーツって名前は聞いたことあるけど、あんまり曲は知らない。」という方へ。

この記事でブルーハーツの魅力をたっぷりご紹介するので、少しでも興味を持って頂けたらと思う。

 

 
ブルーハーツってどんなバンド?

1985年に結成。
主に作詞作曲を手掛ける、甲本ヒロト(以下ヒロト)と真島昌利(以下マーシー)の2人を中心とする日本を代表する伝説のロックバンド。
「人にやさしく」でメジャーデビュー。
その後、「リンダリンダ」や「TRAIN-TRAIN」、「情熱の薔薇」などの多くのヒット曲を世に送りだし、今でも数多くのCMや映画で曲が使用され多くの人に愛されている。

知らず知らずのうちに皆さんもブルーハーツの曲をテレビなどで聴いているはずだ。
また、ボーカルのヒロトの情熱的なライブパフォーマンスや力強い声、ギターのマーシーの繊細で文学的で情緒的に綴った歌詞やイカしたダミ声で歌う姿、そして、その2人の絶妙なコンビネーションは多くのロック好きのハートを一気に鷲掴してきた。
そして、人気絶頂の1995年6月1日にラジオ番組にて突然の解散宣言し、多くのファンを驚かせた。
ヒロトとマーシーはブルーハーツ解散後も、「THE HIGH LOWS」や「ザ クロマニヨンズ」のバンドを共に組み、2018年現在も色褪せぬ存在感を日本のロックンロール界に示し続けている。

 

ブルーハーツが聴こえるとは?

さて、注目の映画「ブルーハーツが聴こえる」は、ブルーハーツの名曲「ハンマー(48億のブルース)」「情熱の薔薇」「少年の詩」など、6つの曲をそれぞれ6人の監督がオムニバス形式で構成した映画である。

ブルーハーツの曲に思い入れのある監督さん達が、それぞれの曲に対する気持ちを体現し、想いの詰まった作品である。
映画作成のためにクラウドファンディングでの出資も行われたそうで、多くのブルーハーツファンの協力で実現した映画でもある。


「ブルーハーツが大好きな人たちが企画して」

「ブルーハーツが大好きな人たちが協力して」

「ブルーハーツが大好きな人たちがメガホンを取り」

「ブルーハーツが大好きな人たちが出演して」

「ブルーハーツが大好きな人たちが見に行く」

なんて最高な作品だろうか。 

 

ブルーハーツの魅力

ブルーハーツの1番の魅力はなんと言ってもその歌詞である。
今の日本の音楽、いや、他のどの音楽にもない力強いメッセージ性がブルーハーツの歌詞には込められているのだ。
色んなことに敏感で、色んなことに反発し、色んなことに疑問を持っていた青春時代。
周りの大人達は自分のやりたいことを抑圧して、でもそれになす術もなく無力さに打ちひしがれた10代。
そんな時に私の味方になってくれたのが、このブルーハーツだった。


「俺だって同じ気持ちで闘ってるぜ」  
「お前はそのままでいいんだ」
「人生楽しいことばかりだぜ」


なんて言葉をスピーカーの中から叫んできてくれた。
何故だろうか。ブルーハーツの曲は心にそのまま突き刺さってくる。頭では理解出来ないけど、心で理解出来ている感じだ。
ヒロトもマーシーも天才的なセンスを持っており、素晴らしい歌詞の曲を次々と世に送り出している。
ヒロトは荒削りだが、無駄がなく、嘘がなく、そして誰も敵わない天才の感性をそのままひねり出したような歌詞。 


「リンダリンダ」
「人にやさしく」 
「情熱の薔薇」

 

この3曲が世間では知られているだろう。
これだけシンプルな言葉で人の感情を描いている歌詞は見たことがない。
ヒロトの歌詞の本当の凄さは、大人になってから気付く「深み」にあると思るのだろうと思う。


「リンダリンダ」は人を愛するということの本質を歌い、
「人にやさしく」はヒロトの原点となっている音楽への愛を歌い、
「情熱の薔薇」では本当に大切な物に気づき、人生を捧げることを歌っている。


シンプルな歌詞だからこそ、その歌詞の行間に聴き手のストーリーが入り込む余地があるのもヒロトの歌詞の魅力だ。
「伝えたいことは全部歌ってるから、あとはお前らの感性で受け止めてくれ」

と言わんばかりの洗練された本当にシンプルな歌詞なのだ。
だから、経験を積み重ねていって大人になるにつれて、

「あ、ヒロトってこういうことを伝えたかったんだろうな」

というのが日々増えていくのも魅力の1つだ。

そして、マーシーの歌詞は文学的で情景がまぶたの裏に思い浮かぶような、情緒的で聴き手の心をユラユラと揺り動かす歌詞が魅力だ。
言葉遊びも歌詞の中で多くされていて、聴いていて心地がよくて楽しく、それでいてどこか心に引っかかるような言葉選びのセンスが飛び抜けている。
また、マーシーは普段はギターコーラスだが、


「チェインギャング」
「ブルースを蹴飛ばせ」 
「ラインを超えて」


などの一部の曲ではメインボーカルを務めている。

これらの曲の自己嫌悪と社会風刺の混ざった物憂げな雰囲気の歌詞と、マーシーの乾いたしゃがれ声の相性抜群である。


ブルーハーツが聴こえるの劇中歌

ここらで、映画「ブルーハーツが聴こえる」でテーマとして使われる6曲の紹介をさせて頂きたい。


映画「ブルーハーツが聴こえる」で使用される曲は


「ハンマー(48億のブルース)」

「人にやさしく」

「ラブレター」

「少年の詩」

「情熱の薔薇」

「1001のバイオリン」
以上6曲だ。

ハンマー(48億のブルース)
監督 飯塚健
脚本 飯塚健
出演 尾野真千子 他

◯ストーリー
アンティークショップに勤める一希(尾野真千子)は、ある日、同棲して3年になる彼氏の浮気現場を目撃してしまう。職場の先輩・久保や店に入り浸っている女子高生二人組の仲間たちはヘコんでいる一希をほっておけない。一方、一希自身も踏ん切りをつけられない自分に苛立っていた……。
(引用元 http://movie.walkerplus.com/mv62255/

◯曲解説
マーシー作詞作曲の歌。
この曲の副題の48億という数字は、この曲が書かれた当初の1985年当初の総人口だ。ブルースってのは簡単に言うと悲しみの感情のこと。曲中では、「ハンマーが振り下ろされる」というフレーズが多用されているが、これは私たちの頭にガツンと憂鬱が降りかかってくることを比喩してるのだろう。安っぽい建前ばかりを気にして生きて、本当のことを吐き出せる場所なんてありゃしない。それでも、そんな世の中はゴメンだって物事から目を逸らしてたら、余計に物事の本質なんて見えないよ。だから、本音でぶつかって一人ぼっちになることがあったって、デタラメと悲しみばかりの世の中と向き合っていこうぜ。って、そんな歌だ。途中のマーシーのコーラスも最高にカッコいい。

人にやさしく
監督 下山天
脚本 下山天、鈴木しげき
出演 市原隼人 ほか

◯ストーリー
遥か未来。銀河の彼方で刑務所惑星を目指す囚人護送船を流星群が襲った。彷徨う宇宙船には謎の若い男(市原隼人)や女、凶悪兄弟、静かな老紳士、そして看守らのわずかな生存者がいた。生存帰還の万策尽きたパニック状況下、生き残った彼らに希望はあるのか……。
引用元 http://movie.walkerplus.com/mv62255/

◯曲解説

大好きな物。誰にでも1つはあるのではないか。大切な人。誰にでも1人はいるのではないか。そして、その大好きで大切な気持ちが溢れた時、「大好きな物」を「大切な人」と共有したくなる。人にやさしくはそんな気持ちを、ストレートに歌っている。「気が狂いそう」なほど大好きで、大切な「あなたにも聴かせたい」。こんな形でしか愛情の表現が出来なかった若い頃の気持ちを今でも奮い立たせてくれる一曲だ。


ラブレター
監督 井口昇
脚本 井口昇
出演 斎藤工

ストーリー
脚本家の大輔(斎藤工)が自身の高校時代のことを書いていると、トイレから当時へタイムスリップしてしまう。片想いの相手で亡くなったはずの美少女・彩乃と再会した大輔は、彼女を再び死なせまいと奮闘するのだが……。
引用元 http://movie.walkerplus.com/mv62255/

 

◯曲解説

いちばん愛していた人を思い出す一曲。聴けば分かる。


少年の詩
監督 清水崇
脚本 清水崇、石川健太
出演 優香 ほか

◯ストーリー
1987年のクリスマス。鍵っ子の健は、朝から母親(優香)と喧嘩して団地で一人ぼっちの誕生日を迎えようとしていた。テレビに映る憧れのヒーローも虚しく感じてしまう健。そこに、売り切れ続出のヒーローセットのプレゼントが届く。添えられたカードを目にした健は……。
引用元 http://movie.walkerplus.com/mv62255/

◯曲解説
「こんなイタズラをしたら大人達はどんな顔をするだろう。」子供のころ誰もが頭によぎったことがあるだろう。世界中をアッと驚かせるようなアイデアも、少年の無力さと不器用さでは無に帰してしまう。そんな悔しい思いを誰もがしてきたのではないだろうか。誰もが持つ「反骨心」を青春時代の 不器用さと青臭さを象徴にして歌い上げたこの歌は、聴いた人に青春時代のエネルギーを与えてくれる。心にナイフを持って、とにかく現実に抗っていた日々を、「少年の声は間違っちゃいない」と優しく肯定してくれる。そんな一曲だ。


ジョウネツノバラ
監督 工藤伸一
脚本 永瀬正敏
出演 永瀬正敏 ほか

◯ストーリー
男(永瀬正敏)は最愛の女性を亡くし、狂おしいほどの喪失感にとらわれていた。その女性をいつまでも自分のそばにおいておきたいと願い、男は亡き骸を奪い去るという暴挙に出る。しかしそれを隠しきれない現実の中、さらに驚くべき手段をとるのだが……。
引用元 http://movie.walkerplus.com/mv62255/

◯曲解説
永遠なのか本当か。こんなフレーズから始まるこの曲。情熱の薔薇は曲を通して「あなたが本当に大切なモノは何?」と優しく、そして力強く問いかけてくるそんな歌だ。みんなが何も疑わず受け入れてる「常識」とか「建前」、そんなものが全部嘘っぱちで、ホントのホントに普遍的でもっと大事なことものがあったら面白い、きっとあるはずだ。ということに気付かせてくれる。毎日ほんのすこしだけど、誰もが必ず感じているはずの「幸せ」。そして、人生により彩りを与えてくれるような「不幸せ」。を1つ1つ大切にして全力で感じながら生きていきたい。そんな風に思わせてくれる作品だ。

1001のバイオリン
監督 李相日
脚本 小島健作
出演 豊川悦司 ほか

◯ストーリー
元福島原発の作業員・達也(豊川悦司)は、震災の後、福島から離れ家族4人で東京に移り住んでいる。妻子が東京に馴染んでいく中、達也だけは新たな就職先も決まらず、まだ福島を引きずった生活を送っていた。そんなある日、後輩の安男が達也を訪ねてくる。達也は、福島に残してきた飼い犬・タロウを今から連れ戻しに行くと宣言。皆の反対を押し切り、達也は安男と共に福島へと向かう……。
引用元 http://movie.walkerplus.com/mv62255/

◯曲解説
迷いを振り切るこの一曲。「ヒマラヤほどの消しゴム1つ。楽しいことを沢山したい。」このフレーズにこの曲のすべてが集約されている。子どもの頃は「やりたいこと」が沢山あって、それを全部叶えてやるんだって全速力で生きていた。大人になるにつれて、知識もついて、お金も稼いで、人脈も増えた。そのおかげで「出来ること」は確かに増えたかもしれない。そして、その「出来ること」と同じ数の迷いが生まれるのも確かなのだ。大人になって、選択肢が増えたらその分自由になったかと言うとそうではない。世間体や利害関係、損得感情が同じ数だけあって、思ったように身動きがとれない。「楽しいと思ったことやれば良いじゃん」って初期衝動で行動してた子どもの頃を思い出させてくれる曲だ。


ブルーハーツ初心者さんへのオススメアルバム

この記事を読んで頂き、ブルーハーツに興味を持ったみなさんにブルーハーツのアルバムのオススメを独断と偏見で紹介する。

1位
THE BLUE HEARTS

THE BLUE HEARTS [アナログ] [Analog]

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  • アーティスト: THE BLUE HEARTS
  • 出版社/メーカー: 徳間ジャパンコミュニケーションズ
  • 発売日: 2017/07/19
  • メディア: LP Record
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2位
LIVE ALL SOLD OUT

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3位
STICK OUT

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4位
YOUNG AND PRETTY

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5位
ALL TIME SINGLES

 

ALL TIME SINGLES~SUPER PREMIUM BEST(DVD付)

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番外編
THE BLUE HEARTS BOX 

THE BLUE HEARTS on TV DVD-BOX [DVD] (完全初回生産限定盤)

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